大型キャンパーの「この坂、大丈夫?」に答えたい——立体地形マップ(ベータ版)ができるまで

大型キャンピングカーの「この坂、大丈夫?」に走る前から答える。立体地形マップ(ベータ版)の発想と、開発でこだわった3つのポイントを紹介します。
ビンテージのモーターホームや大型キャンピングカーで出かけるとき、いちばん緊張する瞬間のひとつが「この先の坂、登れるかな」「この道、車体で通れる幅かな」ではないでしょうか。
ナビは最短ルートは教えてくれますが、"その道がどれだけ急で、どれだけ狭いか"までは、行ってみないと分からないことが多い。引き返せない一本道で立ち往生——そんな不安をなくしたい、という発想から生まれたのが「立体地形マップ(ベータ版)」です。

何ができるのか
地形を立体(3D)で表示
平面の地図では分かりにくい山の起伏を、立体で直感的に把握できます。平面/立体はワンタップで切り替えられます。
ルートの「坂のきつさ」を数字とグラフで
出発地と目的地を決めると、ルート全体の距離・登る高さの合計・最大勾配・急坂区間をグラフで表示します。「どこで踏ん張るか」を走る前にイメージできます。

現在地と今いる標高
走行中も現在地と標高を表示。必要なときだけ地図を自分に追従させ、操作中は勝手に動かない設計にしています。
ルート沿いの「道の狭さ」も、色でひと目に
勾配だけでなく、道幅も走る前に分かるようにしました。地図データから道幅の目安を推定し、ルートに沿って色分け表示します。車両情報に車幅を登録しておくと、自分の車での余裕を「十分」「要注意」「通行困難の可能性」の3段階で確認できます。会員の走行ログから寄せられる道幅の情報も、この目安の精度を上げるために活用しています。

みんなで育てる「道路メモ」
「ここはすれ違いが難しい」「落石注意」といった現地の情報を会員どうしで共有できます。写真を添えて投稿することもできます。
出発前ブリーフィング
ルート沿いの地形と道路メモをAIが要約し、登坂のポイントや注意点、休憩候補を出発前にまとめて確認できます。
開発でこだわったこと
1. 「見た目の起伏」と「坂の数字」を必ず一致させる
地図に映している立体地形と、勾配の数値が食い違っては意味がありません。そこで、別々のデータを使うのではなく、地図が表示しているのと"まったく同じ標高データ"から勾配を計算する作りにしました。表示と数字がズレないぶん、安心して目安にできます。
2. 重くならないように、地形データを整えて配信
標高データはそのまま使うと、海や欠損部分で数値が大きく乱れたり、表示が重くなったりします。これをサーバー側であらかじめ整え、キャッシュして配信することで、表示の軽さと正確さを両立させました。
3. 坂の数字は、あくまで目安
地形データには誤差があり、断定はできません。だからこのアプリは一貫して「決めつけない・あくまで目安」というトーンを守っています。急坂の先読み案内にも、出発前ブリーフィングにも、必ず注意書きを添えています。最終的な判断はドライバーの皆さん自身、という姿勢は変えません。
4. 車両の実寸に、経路そのものを合わせる
ルートの線をより細かくつなぎ合わせ、勾配プロファイルが実際の道の起伏に近づくようにしました。車両寸法を登録している場合は、候補ルートごとに沿線の通行制限を車体で採点し、通れない可能性が最も低いルートを自動で選びます。急坂の目安も車両総重量に応じて調整し(軽い車ほど強気に、重い車ほど早めに注意)、現在地の表示も実際の道に沿ってなめらかに動くようにしています。
データは国土地理院のオープンデータ
地図と標高には、国土地理院が公開しているデータを使っています。全国をカバーし、信頼性が高く、出典を明示すれば利用できる——大型車の安全に関わる機能だからこそ、土台に公的なオープンデータを選びました。(地図・標高の出典:国土地理院)
いまはベータ版、これからも育てます
公開しているのは「ベータ版」で、開発側の体感ではまだ構想の2割ほど。これから、LINEアプリ内での動作確認、ルート検索の精度、道路メモの質、ブリーフィングの賢さなどを一つずつ詰めていきます。
「この坂、大丈夫?」に、走る前から答えられるアプリへ。皆さんの道路メモやご意見が、そのまま地図を育てる力になります。ぜひ一度、メニューの「立体地形マップ(ベータ版)」を開いてみてください。
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